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スパークリングワインの選び方|製法の違いと国ごとの呼び名

Wine Glasses in Morning Light
写真: 「Wine Glasses in Morning Light」by Debbie_Long / CC BY 2.0

最終更新: 2026年8月23日

売り場で「スパークリングワイン」と一括りに並んでいるボトルは、実は産地も製法も呼び名もばらばらです。ここを押さえておくと、ラベルの単語だけで中身の見当がつくようになります。キリン(メルシャン)公式のワインアカデミーとサントリー公式のワインスクエアに書かれている内容をもとに整理します。

そもそもスパークリングワインとは

サントリーの解説では、ワインは大きく4つに分類されます。炭酸ガスを含まない普通の赤・白・ロゼがスティルワイン、炭酸ガスを含むものがスパークリングワイン、ブランデーなど度数の高いアルコールを加えたフォーティファイド(酒精強化)ワイン、ハーブや果実で風味をつけたフレーバードワインです。

スパークリングワインにはしっかり発泡するタイプと微発泡のタイプがあり、呼び分けは国によって違います。フランスではしっかり発泡したものをヴァン・ムスー、微発泡のものをペティヤンと呼びます。

泡の作り方は一つではない

瓶内二次発酵とタンク内二次発酵、甘辛表示の違いを示す図解

編集部作成の製法図解。D.O. Cava、ドイツワイン協会、シャンパーニュ委員会の説明に基づきます。

キリンの解説によれば、泡を生む製法は複数あります。代表的なのが次の2つです。

  • シャンパーニュ方式: 一度発酵を終えた白ワインを瓶詰めし、糖分と酵母を加えて瓶の中で再び発酵させ、炭酸ガスを生じさせる
  • シャルマー方式: タンク内で二次発酵を行う

同じ「発泡している」でも、瓶の中で泡を作ったのか、タンクで作ったのかという違いがあるわけです。

シャンパーニュでは、異なる畑や年の原酒を合わせるアサンブラージュが行われることがあります。工程はおおむね、圧搾 → 一次発酵 → 必要に応じて原酒のブレンド → 瓶内二次発酵 → 熟成 → 動瓶・澱抜き → 必要に応じてドサージュ → 打栓、と進みます。熟成期間や泡の印象は銘柄によって異なります。

オリの抜き方も独特で、瓶のネック部分だけを冷凍槽に浸してオリを凍らせ、抜栓したときの内部のガス圧で凍った部分だけを飛び出させます。

シャンパーニュでは澱抜き後にワインと糖の混合液を加える「ドサージュ」で甘辛を調整することがあります。ラベルのBrutなどの表示は完成したワインの残糖量による区分です。たとえばBrutは12g/L未満、Brut Natureは3g/L未満かつ糖の添加なしです。

「シャンパン」と名乗れるものは限られる

ここが一番の勘所です。キリンの解説には「すべてが『シャンパン』ではないので注意しましょう」とはっきり書かれています。

国 呼び名 補足
フランス クレマン / ヴァン・ムスー / シャンパーニュ シャンパーニュ地方でシャンパーニュ方式を用い、AOC法(フランスのワイン法最上級の格付け)の規定を満たしたもののみがシャンパーニュを名乗れる
イタリア スプマンテ / アスティ / プロセッコ スプマンテはイタリア語で「発泡性の」を意味する
スペイン エスプモーソ / カバ カバは産地とブドウ品種が規定され、瓶内二次発酵で造られる
ドイツ シャウムヴァイン / ゼクト ゼクトは発酵由来の炭酸を持つ発泡性ワイン。瓶内発酵とタンク発酵があり、Winzersektなどは伝統的な瓶内発酵

カバという名前は、カタルーニャ地方のカタラン語で「洞窟」を意味します。瓶内二次発酵が地下の洞窟で行われたことに由来する呼び名です。

つまり「シャンパン(シャンパーニュ)」は製法の名前ではなく、産地と規定に紐づいた呼称です。同じ瓶内二次発酵で造られていても、シャンパーニュ地方以外のものはシャンパーニュとは呼びません。カバは瓶内二次発酵ですが、ゼクトという表記だけでは瓶内発酵かタンク発酵かを特定できません。

冷やし方と合わせる料理

キリンの解説では、スパークリングワインは基本的にしっかり冷やして楽しむものとされています。目安は氷水で20〜30分、家庭用冷蔵庫なら4〜5時間です。ただし複雑味のあるタイプは、少しだけ高めの温度のほうがおいしく感じられることもあるとされています。

料理との相性については、白のスパークリングワインはサッパリした素材から脂のある食材まで幅広く合い、ロゼのスパークリングワインは赤ワインのように脂がしっかりある素材や濃厚なソースにも合わせられる、と説明されています。

飲み頃の温度そのものについてはワインの保存温度の記事も参考にしてください。ラベルの読み方はワインラベルの読み方、チーズと合わせるならチーズとワインの合わせ方にまとめています。

選ぶときの見方

ここまでを踏まえると、売り場での見方はこう整理できます。

  1. 産地の呼称を見る — シャンパーニュ、カバ、ゼクト、スプマンテ、プロセッコなど。どの国のどの規定のものかが分かります
  2. 瓶内二次発酵かどうかを見る — カバは瓶内二次発酵。ゼクトは製法の表示まで確認します
  3. 甘辛の表記を見る — Brutなどは完成したワインの残糖量の目安です
  4. 冷やす時間を逆算する — 冷蔵庫なら4〜5時間かかるので、飲む日の前日から入れておくと確実です

なお、20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。

出典

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