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赤ワイン用ブドウ品種の基礎|原産地とタンニンで見る12品種

Wine on the Porch
写真: 「Wine on the Porch」by slgckgc / CC BY 2.0

最終更新: 2026年8月27日

赤ワインのラベルに書かれたブドウ品種名は、中身の性格を推し量る手がかりになります。産地の呼称を覚えるより先に、品種の傾向を押さえておくほうが売り場では役に立ちます。キリン(メルシャン)公式のワインアカデミーに書かれている内容をもとに整理します。

赤ワインのブドウは「黒ブドウ」

赤ワインに使われるブドウ品種は黒ブドウと呼ばれます。黒味がかった紫の果皮を持ち、この果皮から抽出される色素が赤ワインのルビー色を生み出します。

つまり赤ワインの色は、ブドウの果肉ではなく果皮に由来します。品種ごとに色の濃さが違うのは、この果皮の性質の違いによるものです。

代表的な12品種

品種 原産地・主な産地 特徴
カベルネ・ソーヴィニヨン フランス ボルドー地方 深みのある色合いとしっかりとしたタンニン。重厚で飲みごたえのあるワインになる
メルロー フランス ボルドー地方 深みのある色合いと、きめ細やかなタンニン。まろやかで口当たりの良いワインになる
ピノ・ノワール フランス ブルゴーニュ地方 透明感のあるルビー色。比較的タンニンが少なく、なめらかな味わい
マスカット・ベーリーA 日本(1927年、川上善兵衛による交配) 生食・醸造兼用の日本固有品種。キャンディのような甘い香りが特徴
シラー フランス コート・デュ・ローヌ地方 濃い紫を帯びたガーネット色。フルーティさとタンニンのバランスが良い。オーストラリアではシラーズ
テンプラニーリョ スペイン 香り高く繊細な味わいを持つ長期熟成型
カルメネール 元はフランス ボルドー地方、現在は南米チリ 豊かな果実味とコクのある味わい
ガメイ フランス ボージョレ地方 炭酸ガス浸漬法によりタンニンが少なくフルーティ。ボージョレ・ヌーヴォーの原料
ネッビオーロ イタリア ピエモンテ州 濃いガーネット色。酸・タンニンがしっかりした長期熟成型。バローロの原料
サンジョヴェーゼ イタリア トスカーナ州ほか 濃いルビー色でタンニンと果実味が豊富。キャンティの主要品種
ガルナッチャ スペイン原産(フランス南部のグルナッシュと同種) フルーティでフルボディ。テンプラニーリョとブレンドされることが多い
マルベック フランス ボルドー地方・カオール地区、近年はアルゼンチン 色が濃くタンニンの強いコクのある赤ワインになる

こうして並べると、フランス由来の品種が別の国で主役になっている例が目立ちます。カルメネールはボルドーでほとんど栽培されなくなった一方でチリで成功し、マルベックはアルゼンチンで注目を集めています。産地の考え方は産地区分の記事にまとめています。

メルローとピノ・ノワールはどう違うか

同じ「渋みが穏やかな赤」として並べられがちな2品種ですが、出典の記述を見ると方向性が違います。

メルローは、味わいが「やわらかくて丸みを帯びたふくよか」、香りはプラム、ブルーベリー、チョコレートなどとされています。味わいイメージチャートでは渋味が「おだやか」寄り、コクは「コクあり」寄りです。

ピノ・ノワールは、「渋みが少なく酸味がほどよい、軽くエレガントな味わい」、香りはラズベリー、イチゴ、チェリーなど赤い果実系とされています。チャートでは渋味が「なめらか」寄り、コクは「軽い」寄りです。

つまり両者とも渋みは強くないものの、コクの位置づけが逆です。メルローはコクのある方向、ピノ・ノワールは軽い方向。「渋くない赤」でひとくくりにすると外しやすいのはここです。

料理の合わせ方にもこの差が出ます。メルローにはまろやかな味付けの肉料理、中でもミートボールやハンバーグのような柔らかく仕上げた料理が好相性とされ、ピノ・ノワールには甘酸っぱいソースの料理や甘さ控えめの軽めの料理が合うとされています。

ラベルから何を読むか

品種名が分かれば、次の順で見当がつけられます。

  1. 原産地を思い出す — ボルドー系(カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー)かブルゴーニュ系(ピノ・ノワール)かで、タンニンの想定が変わります
  2. タンニンの強さを見る — しっかり(カベルネ・ソーヴィニヨン、ネッビオーロ、マルベック)か、少なめ(ピノ・ノワール、ガメイ)か
  3. コクの方向を見る — 同じ渋み控えめでも、メルローとピノ・ノワールでは狙いが違います

ラベルの他の表記の読み方はワインラベルの読み方、造りの違いは赤・白・ロゼの造り方にまとめています。

なお、ここに挙げた味わいの記述はいずれも出典元の解説によるものです。当サイトでは試飲による評価や銘柄の順位付けは行っていません。また、20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。

出典

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