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ワインの産地区分|「伝統国」と「新世界」、チリの原産地呼称制度

Wine at Saltus
写真: 「Wine at Saltus」by khawkins04 / CC BY 2.0

最終更新: 2026年8月25日

ワイン売り場では国別に棚が分かれていることが多いものの、「どの国がどう違うのか」は意外とあいまいなまま選んでいる人も多いのではないでしょうか。キリン(メルシャン)公式のワインアカデミーでは、生産国を「伝統国」と「新世界」という2つの枠組みで整理しています。この記事では同サイトの解説をもとに、産地の大きな分け方と、新世界の代表例としてチリのワイン法(原産地呼称制度)の内容を事実ベースで整理します。ラベルの読み方全般は「ワインラベルの読み方」もあわせてご覧ください。

産地は「伝統国」と「新世界」に分けられる

キリン(メルシャン)公式サイトの解説では、世界各国で生産されているワインについて「フランス、イタリア、ドイツをはじめとしたヨーロッパの銘醸ワインが有名ですが、『新世界』と呼ばれる国々のワインも品質が高くてリーズナブルで、近年とても注目されています」としたうえで、ヨーロッパと新世界を合わせた14カ国の特徴を紹介する、という構成になっています。

同サイトが挙げている国の分類は次のとおりです。

  • 伝統国(ヨーロッパ): フランス・イタリア・ドイツ・オーストリア・ポルトガル・スペイン・ギリシャ・ハンガリー
  • 新世界: 日本・アメリカ合衆国・チリ・アルゼンチン・オーストラリア・ニュージーランド

この分類では、日本は「新世界」の一国として位置づけられています。伝統国か新世界かという枠組みは、ラベルの原産国表記を見たときに「ヨーロッパの伝統的な産地なのか、比較的新しい生産国なのか」を大まかに把握する手がかりになります。

新世界の一例、チリのワイン法と原産地呼称(D.O.)

新世界の中でも、キリン公式サイトはチリについて独立したページで詳しく解説しています。ここではその内容を整理します。

気候の特徴

同サイトによると、チリは南北に細長い国で、自然条件は地域により大きな差があります。ブドウ栽培が行われている中央部は砂礫質土壌で、昼夜の寒暖差が大きく、ブドウ造りに恵まれた気候条件とされています。東にそびえるアンデス山脈、西の海岸線に沿って流れる冷たいフンボルト海流、北部のアタカマ砂漠、南の氷河が天然の障壁となり、ブドウを害虫から守っているといいます。降水量は年間平均300mmと少なく、主に冬から春にかけて雨が降り、夏季から収穫期にかけては灌漑が必要になるとされています。雨による被害や病気もほとんどないため、他国で見られるような豊凶差はあまりないと説明されています。

D.O.(原産地呼称)とラベル表示のルール

キリン公式サイトによると、チリワインが国際的に評価を高めてきたことに伴い、1995年に農業保護庁農牧局により新しい原産地呼称法が施行されました。ブドウ栽培地域を特定することを目的としており、ブドウ品種やヴィンテージのラベル表記についても規制の対象になっているといいます。

同サイトが説明するD.O.(Denominacion de Origen、原産地呼称)ワインの定義と表示規定は次のとおりです。

  • D.O.ワインの定義: 原産地呼称法にて定められたブドウ栽培地域で収穫され、同法に定められたブドウ品種から造られるワイン
  • 産地名の表記: 定められたブドウ栽培地域内の、同一地域で収穫されたブドウを75%以上使用すれば表記可能
  • 品種名の表記: 75%以上同一品種のブドウを使用すれば表記可能。複数の品種を表記する場合は、15%以上使用の品種を多い順に3品種まで左から右へ表記可能
  • 収穫年の表記: 75%以上同一収穫年度のブドウを使用すれば表記可能
  • 原産地呼称なしワイン: チリ国内にて収穫され、指定されたブドウ品種から造られるワイン(D.O.の地域指定を伴わないもの)

ラベルに記載されるのは、生産者ブランド・品種名・生産国名・収穫年・生産者名といった項目で、これらの一部がD.O.制度の表示規定にもとづいている、という整理になります。

産地表記を見るときの整理

ここまでの内容を踏まえると、産地に関する表記は次のように見ると整理しやすくなります。

  1. 伝統国か新世界かを見る — キリンの分類ではヨーロッパ8カ国が伝統国、日本を含む6カ国が新世界とされています
  2. チリ産でD.O.表記があるかを見る — D.O.表記があれば、原産地呼称法で定められた地域・品種の条件を満たしていることになります
  3. 品種・収穫年の表記があるかを見る — チリのD.O.制度では、いずれも75%以上という共通の目安で表記が認められています

なお、この記事は各国の格付け制度そのものの優劣を比較するものではなく、キリン公式サイトに書かれている範囲の事実整理です。ここで触れていない国の制度については、同サイトに具体的な解説がないため本記事では扱っていません。

よくある質問

Q. 「新世界」に分類される国はどこですか? A. キリン(メルシャン)公式サイトの分類では、日本・アメリカ合衆国・チリ・アルゼンチン・オーストラリア・ニュージーランドが「新世界」に含まれるとされています。

Q. チリワインの「D.O.」表示とは何ですか? A. キリン公式サイトの解説によると、D.O.(原産地呼称)ワインとは、チリの原産地呼称法で定められたブドウ栽培地域で収穫され、同法が定める品種から造られるワインです。この制度は1995年に施行された原産地呼称法にもとづいています。

Q. チリワインのラベルの品種表示にルールはありますか? A. あります。キリン公式サイトの解説では、品種名は75%以上同一品種のブドウを使用すれば表記でき、複数品種を表記する場合は15%以上使用した品種を多い順に3品種まで表記できるとされています。

なお、20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。

具体的なワインを探すには

産地区分とチリのD.O.制度を踏まえたうえで、実際に商品を探す場合は、下記のリンクから楽天市場・Amazonでの検索結果を確認できます。ラベルの他の表記項目については「ワインラベルの読み方」、国ごとの呼び名の違いは「スパークリングワインの選び方」もあわせてご覧ください。

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