白ワイン用ブドウ品種の基礎|原産地と香りで見る12品種

白ワインのラベルに書かれたブドウ品種名も、赤ワインと同じく中身の性格を推し量る手がかりになります。キリン(メルシャン)公式のワインアカデミーに書かれている内容をもとに、代表的な品種と、国際品種の代表格シャルドネ・日本固有品種の代表格甲州の位置づけの違いを整理します。
白ワインのブドウは「白ブドウ」
白ワインに使われるブドウ品種は白ブドウと呼ばれます。黄緑色や、灰色がかったピンク色(グリ)の果皮を持ち、果実味や酸味のバリエーションの豊富さが特徴とされています。赤ワインの黒ブドウが果皮の色素で赤い色をまとうのに対し、白ワインは果皮の色ではなく、産地や気候による香り・酸味の違いが個性を分けます。
代表的な12品種
| 品種 | 原産地・主な産地 | 特徴 |
|---|---|---|
| シャルドネ | フランス ブルゴーニュ地方 | 産地・気候の違いで様々な味わいになる代表的な白ブドウ。シャンパーニュの原料としても有名 |
| ソーヴィニヨン・ブラン | フランス ボルドー地方・ロワール地方 | ロワール地方ではブラン・フュメと呼ばれる。ニュージーランドでも注目される品種 |
| 甲州 | 日本(山梨県中心、1300年の歴史) | 日本固有の欧州系品種。果皮は淡い赤紫色の美しいブドウ |
| リースリング | ドイツ | しっかりとした酸味と上質な香り。爽やかな辛口から甘口まで造られる |
| ピノ・グリ | フランス(イタリアではピノ・グリージョ) | 「グリ」は灰色の意味で、果皮は灰色を帯びた薄紅色。香りは穏やかで辛口・厚みのある味わい |
| セミヨン | フランス ボルドー地方(ソーテルヌ地区・グラーヴ地区) | 貴腐ワインの原料ブドウとしても有名 |
| ヴィオニエ | フランス コート・デュ・ローヌ地方北部 | モモやアンズを思わせる香り。近年はカリフォルニア・オーストラリアでも栽培 |
| マスカット・オブ・アレキサンドリア | フランス ラングドック・ルーシヨン地方ほか世界各地 | ミュスカの一種。甘い風味と独特の芳香でブレンド用に使われるほか、辛口白ワインも造られる |
| ミュスカデ | フランス ロワール川下流域 | 辛口で爽やかな風味の軽快なワイン。オリと接触させるシュール・リー製法のものもある |
| マカベオ | スペイン北部(ビウラとも呼ばれる) | 早熟性で豊かな果実味と骨格を持つ。カバの指定品種の一つ |
| パロミノ | スペイン南部アンダルシア地方 | シェリーの重要な原料ブドウで、シェリーのほとんどがこの品種から造られる |
| フルミント | ハンガリー北部トカイ地方 | 通常は酸味のある力強い辛口ワインになるが、生産年により貴腐ブドウとなった場合は極甘口の貴腐ワインになる |
赤ワインの代表品種の解説は「赤ワイン用ブドウ品種の基礎」にまとめています。ボルドー地方はソーヴィニヨン・ブランやセミヨンの産地でもあり、赤ワインだけでなく白ワインの主要品種も多く育てている地域です。
シャルドネと甲州、位置づけの違い
同じ「代表的な白ブドウ」として並べられますが、出典の記述を見ると位置づけがかなり違います。
シャルドネはフランス ブルゴーニュ地方原産で、世界中の産地・気候で栽培され、そのたびに様々な味わいのワインになる国際品種です。シャンパーニュの原料としても使われ、香りは寒い地域ではレモンやライム、温暖な地域ではトロピカルフルーツやナッツ・バターの香りになるとされています。味わいイメージチャートでは、酸味・コクともに「ほど良い」の位置づけです。
**甲州**は、日本で1300年もの歴史を持つ伝統ブドウで、山梨県を中心に栽培される日本固有の欧州系品種です。果皮は淡い赤紫色の美しいブドウとされています。世界各地で栽培されるシャルドネとは対照的に、甲州は日本という一つの産地に根差した品種という位置づけです。なお、果皮が赤紫色でありながら白ワインに使われる点も、白ワインの分類が果皮の色そのものではなく製法によることを示す一例といえます。
ラベルから何を読むか
品種名が分かれば、次の順で見当がつけられます。
- 原産地を思い出す — フランス系(シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン、ヴィオニエ、ミュスカデ)か、ドイツ(リースリング)か、日本固有(甲州)かで、栽培の背景が変わります
- 香りの系統を見る — 柑橘・トロピカルフルーツ系(シャルドネ)、モモ・アンズ系(ヴィオニエ)など、出典に記載された香りの傾向で見当がつきます
- 国際品種か地域固有品種かを見る — シャルドネのように世界各地で栽培される品種と、甲州のように特定の産地に根差した品種とでは、産地表記の意味合いが変わります
ラベルの他の表記の読み方はワインラベルの読み方、造りの違いは赤・白・ロゼの造り方にまとめています。
なお、ここに挙げた味わいや香りの記述はいずれも出典元の解説によるものです。当サイトでは試飲による評価や銘柄の順位付けは行っていません。また、20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。
具体的なワインを探すには
代表的な品種の位置づけを踏まえたうえで、実際に商品を探す場合は、記事で紹介する商品のリンクから、現在の販売条件を確認できます。