ワイングラスの扱い方|回す理由と持ち方の基本

ワインが注がれたグラスを回す仕草を見たことがある人は多いはずですが、なぜ回すのか、どのタイミングで回すのか、正しい持ち方はどちらなのかは意外と知られていません。この記事では、キリン公式サイト(メルシャン ワインアカデミー)とサントリー公式サイト(ワインスクエア)の解説をもとに、グラスを回す理由・注ぐ量の目安・持ち方の使い分けを事実ベースで整理します。グラスの形状そのものの選び方は「ワイングラスの選び方」で扱っています。
なぜグラスを回すのか(スワリング)
キリン公式サイトによると、ワイングラスを回すのは格好つけるためではなく、液面を動かしてワインをより多く空気に触れさせるためだとされています。空気に触れることで香りや味わいが豊かになり、最初に飲んだときよりも印象が変わることがあり、これを「ワインが開く」と表現するとされています。同サイトでは、一度開いたワインはそれ以上大きく変化することはあまりないため、ひと口飲んでグラスを回し、変化を感じたらそれ以上は回さなくてよいという考え方も紹介されています。回せば回すほどおいしくなるわけではない点には注意が必要とされています。
グラスの回し方の手順
キリン公式サイトで紹介されている回し方の手順は次のとおりです。
- テーブルに置いたワイングラスの脚(ステム)を、人差し指と中指の間に挟むか、親指と人差し指でつまむ
- グラスをテーブルの上ですべらせるように動かす(パソコンのマウス操作に近いイメージとされる)
- 右手で回す場合は反時計回り、左手で回す場合は時計回りに回す(万が一ワインが飛び出しても自分側に向かうようにという配慮とされる)
同サイトでは、ワイングラスに水を注いで練習する方法も紹介されています。グラス内側をワインが伝って落ちる跡は「ワインの涙」と呼ばれますが、アルコールや表面張力などの影響を受ける現象で、品質の高さを示す指標にはなりません。
注ぐ量の目安
注ぐ量について、キリン公式サイトはグラスの1/3程度、いちばん膨らんでいるところの少し上あたりを目安としています。サントリー公式サイトも同様に、ボウルの幅が一番広がっているところより少し下までを目安としており、両社とも「ボウルの最大径付近まで」という点でおおむね一致しています。多く注ぎすぎるとグラスを回すスペースがなくなってしまう点は、キリン公式サイトが注意点として挙げています。
なお、サントリー公式サイトによると、ワイングラスの容量例は白ワイン用で250〜300ml程度、赤ワイン用で350〜400ml程度と紹介されています。これは規格で決まった容量ではありません。赤ワインは白ワインに比べて香りの総量が多く複雑になりやすいため、赤ワイン用グラスの方が大きめに作られているのが基本とされています。グラスの形状ごとの選び方は「ワイングラスの選び方」で詳しく扱っています。
持ち方の使い分け
サントリー公式サイトでは、グラスの「正しい持ち方」としてボウル部分を持つ方法とステム(脚)部分を持つ方法の2通りが紹介されており、どちらも間違いではないとされています。
- ボウル部分を持つ: 日本で多く見られる持ち方とされる
- ステム部分を持つ: 欧米で多く見られる持ち方とされ、手の温度でワインの温度が上がりやすくなるのを避ける目的があるとされる
同サイトによると、ボウルを持つ方法はワインをこぼさず安定して持つのに向く一方、ステムを持つ方法はワインの温度上昇を避けやすいという、それぞれ目的の異なる持ち方だとされています。ワインを真剣に味わうテイスティングの場やレストランではステムを持つ方法、カジュアルな場や大人数のパーティーではボウルを持つ方法、というように場面で使い分けるとよいという考え方も紹介されています。巨大なグラスなどボウルを片手でつかめない場合は、こだわりすぎなくてよいともされています。
よくある質問
Q. グラスを回すとワインの味が必ず良くなりますか? A. キリン公式サイトによると、グラスを回すことでワインが空気に触れ、香りや味わいが変化する(「開く」)ことがあるとされていますが、一度開いたワインはそれ以上大きく変化しないともされています。回せば回すほど良くなるわけではないという説明です。
Q. グラスを回す方向に決まりはありますか? A. キリン公式サイトでは、右手で回す人は反時計回り、左手で回す人は時計回りに回すという目安が紹介されています。万が一ワインが飛び出した場合に自分側へ向かうようにという配慮とされています。
Q. グラスはボウルとステムのどちらを持てばよいですか? A. サントリー公式サイトでは、どちらも間違いではないとしたうえで、ステムを持つ方法はワインの温度上昇を避けやすく、ボウルを持つ方法は安定して持ちやすいと、目的の違いが説明されています。場面に応じて使い分けるという考え方が紹介されています。
なお、お酒は20歳になってから楽しむものであり、20歳未満の方の飲酒は法律で禁止されています。
グラスを探すには
回し方や持ち方の基本を踏まえたうえで、実際にグラスを探す場合は、記事で紹介する商品のリンクから、現在の販売条件を確認できます。グラスの形状による選び方は「ワイングラスの選び方」、開栓の道具については「ソムリエナイフの選び方」もあわせてご覧ください。